平成27年セミナーを開催しました


平成27年度セミナー「看護技術教育におけるパフォーマンス評価導入の可能性を探る」をテーマに、京都大学・高等教育研究開発推進センター教授松下佳代先生を講師にお迎えしキャンパスプラザ京都にて開催いたしました。
 セミナーは、松下先生の講義に引き続き、参加者全員でルーブリックの作成手順を体験するワークショップ形式で行いました。
ます、講義では、学習評価の構図、パフォーマンス評価とルーブリック、パフォーマンス評価の開発事例、看護技術教育でのパフォーマンス評価について松下先生が解説くださいました。この講義を通して、パフォーマンス評価が、学習者の能力を質的に評価する方法であり、かつ、統合的で、思考を伴う実践を評価するために適した評価方法であることを確認しました。
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続いて、「清拭」の技術評価のためのルーブリック作成を行いました。ワーク①では、参加者間で、2つの事例を共有し、この事例の患者に対する清拭援助の成果を意識化し、それを実現するための適切な看護師の行動を書き出し、評価の「観点」を探りました。
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観点は、その実践の多面性を表すものであり、「専門家の鑑識眼」を明示したものでもあると学びました。観点の抽象度が高すぎると、あらゆる看護技術に共通するもの(一般的ルーブリック)となり、「清拭」の評価の観点(課題特殊的ルーブリック)は、清拭の援助として具体的な行動をイメージできるものであることが必要だということがわかりました。
次にワーク②では、いくつか挙げられた観点の中から「プライバシー」「爽快感」という2つの観点についてレベル0~3までの4段階の評価基準となる記述語を検討しました。最も適切な援助をレベル3に、また、最もよくない援助をレベル0に・・・と議論しました。観点をどのように捉え、説明するかで評価も変わってくることがわかりました。
IMG_2654今回のセミナーでは、パフォーマンス評価の背景となる考え方を体験を通して学ぶことができました。それは、自分の日々の実践や、価値観、看護の捉え方などにも気付く機会にもなりました。短時間でしたが、貴重なワークとなり、参加者のアンケートでも「とても勉強になりました」「さらに勉強してみたい」という声をたくさんいただきました。ご参加くださった皆様、講師の松下先生、本当にありがとうございました!

看護教育における評価の探求は、今後第2回定例会に引き継がれます。セミナーにご参加いただいた皆様だけでなく、会員の皆様、評価に興味関心のある皆様のご参加をお待ちしております。
第2回定例会は、平成28年1月23日(土)の予定です。