令和3年度(2021)看護エデュケア研究会のセミナーを開催しました


今年度【看護エデュケア研究会セミナー】が終了いたしました。
こんな世の中だからこそ改めて知っておきたい・身につけておきたい『マインドフルネス』に注目しました。
テーマ:『マインドフルネスの看護教育・実践への意味~自分をケアする心のトレーニング~』講師は、神戸市看護大学・新澤由佳先生です。新澤先生はMBSR(Mindfulness-Based Stress Reduction)でマインドフルネス逓減法プログラムを終了し、マインドフルネスを看護基礎教育に取り入れて実践されています。
さて、セミナー内容ですが、①マインドフルネスの定義 ②マインドフルネス瞑想 ③マインドフルネスの日常と効果 ④マインドフルネスを看護学生とともに実践する(授業での取り組み)⑤マインドフルネスが看護に役立つこと、といったメニューでした。今回は、実体験型のセミナーでしたので、対面とZOOMのハイブリット開催でした。
まず、マインドフルネスとは?「「今」というこの瞬間に価値判断をすることなく意図的に注意を向け、ありのままを受け入れる態度やこころの状態」です。
セミナーではマインドフルネスで実践されるワークのうちのいくつかを体験しました。そのうちの「マインドフルネス瞑想」は非常に興味深かいものでした。「マインドフルに食べる」では、1粒のレーズンをじっくり見る、臭う、聞く、触る、そして味わうという体験をしました。
 マインドフルに食べる体験より

「マインドフルに歩く」では立ったり、歩いたりする時に生じる下肢や身体全体の動きや関節・足底の感覚を体験しました。「マインドフルネス呼吸法」は自分の呼吸に注意を向け、ゆっくりと息を吸い、ゆっくりと吐きます。新澤先生はこのようなマインドフルな状態を日常生活の中で実践することを奨励されています。状況をありのままに受容することで新たな発見をする、身体を知ることで自分を知り、セルフマネジメントにつながる、そのことがこころと身体の解放につながるというように、日常生活で使うことで豊かさに出会える瞬間を楽しんでほしいと話されました。
最後に、新澤先生は基礎看護学の授業やゼミナールにおいて「自分の身体を知る」という単元で「マインドフルネス瞑想」を実施されています。その授業において、学生は自己の身体に注意を向けることで自分の身体を発見し、その気づきは自己気づき、リフレクションにつながっているようです。さらに、この学習を通して他者の変化への気づきや集中力の向上を目指しているということでした。
セミナーを終えて、筆者は、モノや状況に集中するという体験がとても心地よい時間だと感じました。そして、自分を知ることは他者を知ることにつながるとても重要なスキルですから、このワークを取り入れることで、看護教育の質が変わる可能性を参加者の方々と共有できました。
2022年2月27日(日)には定例会【あらためて基礎看護学を考える】を予定しております。詳細が決まり次第ホームページに掲載しますので、どうぞふるってご参加ください。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。